ファントム(19年雪組)

 音楽の天使は存在していた。それは決して、ガストン・ルルーが彼の著作の中に描いた空想の産物ではなかったのだ。…

 われわれ宝塚ファンは、「贔屓が出る公演は全てすばらしい」「贔屓が出る演目はすばらしいものでなければ許せない」という似て非なる2つの病を患っている。
 こんなことを書くのは、新参ファンの私でさえよく知っているように、『ファントム』という作品がトップコンビの望海風斗さんと真彩希帆さんにとって特別な演目であるからに他ならない。宝塚のたのしみは単なる観劇だけでなく演者たる生徒さんたちへの極めて個人的な感情によるところも大いにあるけれど、それを鑑みずにすばらしいと思えたこともどこかに書いておきたいと思い、拙文ながら千秋楽に捧げます。(なお個人的感情によるところの感想は、ツイッターで大いにわめきちらかしました。)

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