シルクロード ~盗賊と宝石~(21年雪組)

 盗賊と宝石、という副題を見たときからこれは絶対に好きなやつだ、と確信していた。プリンスでもヒーローでも、紳士ですらない、盗賊。(生田先生のことだから望海さんが宝石ということもあり得るのではと思ったが)望海風斗にぴったりのモチーフではないか。そして背伸びしている頑張りが少し見えていた『琥珀色の雨にぬれて』のシャロンから、オペラ座の歌姫やブロードウェイの大スター、ハリウッドの大女優を経て紛うことなき雪組の皇后にして女帝(と敢えて呼びたい)となった真彩希帆ちゃんはまさしく宝石。なにもかも持てる人であるはずの望海さんは、何故か追い求める人であるときとても魅力的でエネルギッシュだ。

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NOW! ZOOM ME!!(20年雪組)

 見せてやろうぜ人生劇場。
 私たちが勝手にみる宝塚や望海風斗への夢、彼女は舞台の上でそれを鮮やかに裏切って、想像していた以上の「夢」を見せてくれる。今まで何度も見せつけられてきたのに、本当に何度も驚かされてしまう。
とても幸運なことに劇場で観る機会を得ることができたのだが、ライブビューイングでも本当に素晴らしい体験をしたので、全部あわせて感想を書いておきたい。先に言いますが大興奮してるし夜中なのでポエムです。

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ファントム(19年雪組)

 音楽の天使は存在していた。それは決して、ガストン・ルルーが彼の著作の中に描いた空想の産物ではなかったのだ。…

 われわれ宝塚ファンは、「贔屓が出る公演は全てすばらしい」「贔屓が出る演目はすばらしいものでなければ許せない」という似て非なる2つの病を患っている。
 こんなことを書くのは、新参ファンの私でさえよく知っているように、『ファントム』という作品がトップコンビの望海風斗さんと真彩希帆さんにとって特別な演目であるからに他ならない。宝塚のたのしみは単なる観劇だけでなく演者たる生徒さんたちへの極めて個人的な感情によるところも大いにあるけれど、それを鑑みずにすばらしいと思えたこともどこかに書いておきたいと思い、拙文ながら千秋楽に捧げます。(なお個人的感情によるところの感想は、ツイッターで大いにわめきちらかしました。)

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